生命保険の種類
変額保険
変額保険とは生命保険のうち、その死亡保険金額や解約返戻金、満期保険金の金額が運用実績に応じて変動する保険の事です。国内外の株式や債券、投資信託などで運用する事から大きなリターンを期待できる反面、株価や債券価格の下落、為替の変動等による投資リスクを伴います。ただし、「保険商品」であるため、死亡保険金額については最低保証が定められています。
死亡したときには、基本保険金+変動保険金が受け取れます。基本保険金額は、運用実績にかかわらず最低保証されるので、変動保険金がマイナスになった場合でも、基本保険金額は受け取れます。
変額保険には保険期間が一定の有期型と、一生涯保障が継続する終身型があります。
有期型の場合、満期をむかえると満期保険金が受け取れますが、その金額は資産運用の実績によって変動し、最低保証はありません。したがって、運用実績により基本保険金額を上回る場合もあれば下回る場合もあります。
解約時に受け取る解約返戻金額には、最低保証はありません。
ご契約時や運用期間中は、保険契約の維持管理に必要な費用、特別勘定の運用に必要な費用、解約時の費用などの諸費用をご契約者にご負担いただきます。なお、これらは商品によって異なります。
変額個人年金保険
変額個人年金保険も国内外の株式や債券を中心に資産を運用し、その運用の実績によって年金額や解約返戻金額などが増減する個人年金保険で、投資リスクは個人が負うことになります。長期でインフレヘッジができる点がメリットですが、インフレヘッジの役割を果たせるかどうかは、その後の運用がうまくいくかどうかにかかっていることに注意しましょう。
変額個人年金保険には、年金額が年金受取開始後一定のタイプと、受取開始後も運用実績によって年金額が増減するタイプがあります。
年金原資は、資産運用の実績によって確定するため、払込保険料の総額を上回る場合もあれば、下回る場合もあります。 また、年金原資や年金受取総額に最低保証のあるタイプを取り扱う会社もあります(最低保証のないものもあります)。
年金種類の多くは保証期間付終身年金と確定年金ですが、保証期間付有期年金もあります。
年金受取開始前に被保険者が死亡した場合に受け取る死亡保険金については、多くは最低保証がありますが、最低保証のないものもあります。
解約時に受け取る解約返戻金額には、最低保証はありません。
ご契約時や運用期間中は、保険契約の維持管理に必要な費用、特別勘定の運用に必要な費用、解約時の費用などの諸費用をご契約者にご負担いただきます。なお、これらは商品によって異なります。
学資保険(こども保険)
学資保険とは子供の進学時の教育費などに掛かるお金を補助することを目的とし、契約した保険料をきちんと支払うことによって、教育資金が必要になると予め設定した時期に給付金としてまとまったお金を受け取ることができる保険です。
主に祝い金や満期学資金として、契約時に決めた子供の年齢に合わせて給付金を受け取れるものです。
また生命保険と同様、子供や親に万が一のことがあった場合には、死亡保険金や病気やケガの治療に掛かる給付金が下りるものもあります。
基本的に学資保険の契約者が万が一亡くなった場合には、それ以降の保険料が免除されるシステムになっています。
育英年金と言って保険契約者が亡くなってしまった日から保険期間満了まで被保険者に給付金が支払われる商品もあります。
学資保険は教育費のための積み立てだけではなく、契約者や被保険者の万が一のことを保障する内容の商品も多く、子供が病気やケガをしたときには一定の給付金が下りるという特長に視点を置く場合もあります。 生命保険や入院保険と同じような保障を目的として学資保険に加入するケースも少なくはありません。
年金保険
日本は、急速な少子高齢化により、将来の公的年金制度に対する不安が高まっています。また、日本人の平均寿命は非常に長く、退職してから年金を受け取るまでの期間の収入確保や、60代~70代のゆとりある生活資金の確保などで、将来の老後資金に対する自助努力が必要になっています。そのような状況の中、個人年金保険は、公的年金や退職金以外に、ある程度の時間をかけてまとまった老後資金を準備できる私的年金であり、一つの有効な手段といえます。
個人年金保険と変額年金保険があります。(変額年金保険については変額保険で説明します。)
個人年金保険
個人年金保険とは契約時に定めた一定の年齢から年金が受け取れます。
年金を受け取る期間でいくつかの種類があります。
保証期間付終身年金
保証期間中は生死に関係なく年金が受け取れ、その後は被保険者が生存している限り終身にわたり年金が受け取れます。保証期間中に被保険者が死亡した場合、残りの保証期間に対応する年金、または一時金が支払われます。
確定年金
生死に関係なく契約時に定めた一定期間、年金が受け取れます。年金受取期間中に被保険者が死亡した場合、残りの期間に対応する年金、または一時金が支払われます。
保証期間付有期年金
保証期間中は生死に関係なく年金が受け取れ、その後は契約時に定めた年金受取期間中、被保険者が生存している限り年金が受け取れます。保証期間中に被保険者が死亡した場合、残りの保証期間に対応する年金、または一時金が支払われます。保証期間のないものもあります。
夫婦年金
夫婦いずれかが生存している限り年金が受け取れます。
介護保険
生命保険会社の介護保険は、被保険者が寝たきりや認知症などの保険会社の契約で定める所定の要介護状態になり、その期間が一定期間継続した場合に、介護年金や一時金などを受け取る事ができます。保険会社毎に、中・軽度の寝たきり状態からカバーできるようにしたもの、公的介護保険制度に連動しているものなど様々なタイプが用意されています。
高齢化が進む現在、介護を受ける人が増えています。2004年4月、要介護状態を6段階に分け、段階ごとに一定範囲の介護サービスが受けられ、自己負担はその費用の1割で受けられるサービスの仕組みである公的介護保険が出来ました。
それを受けて生命保険会社の介護保険商品は、その範囲以上のサービスを受ける場合の費用負担などの為の保険、という性質を持つ様になりました。
がん保険
がん保険は、がんにかかった場合の備えに特化した医療保険です。がん保険はがんと診断された時にまとまった診断給付金を受け取ることができるなど、がんの高額な治療費にも対応できます。また、がんのみに特化した保険なので、保険料は比較的安価になります。
一般的に保険は、契約の承諾と、1回目保険料の払い込み、医師の診査が行なわれた日(医師の診査がなければ、告知書が到着した日)がそろったところで保険の責任開始日となります。 ただしがん保険の場合は、通常の責任開始日から91日目ががんの保障の責任開始日になります。この日よりも前にがんと診断された場合、本人や家族がそれを知らなかった場合にも、保険契約は無効になります。自分が加入するがん保険の責任開始日がいつからか、必ず確認するようにしてください。
厚生労働省の調査によると、日本人の死亡原因のトップはがんであり、がんにかかるリスクは年齢とともに上昇します。一般にがんになると高額な治療費がかかることが多く、がん保険に加入しておけば、経済面を気にすることなく安心して治療に専念できますので、一つの有効な対応策といえます。
特定疾病保険
特定疾病保険は、三大疾病のがん・急性心筋梗塞・脳卒中で保険会社の定める所定の状態になった場合に、請求により、生きているうちに死亡保険金と同額の特定疾病保険金を受け取る事のできる保険で、保険金を受け取ると同時に保険契約は消滅します。
三大成人病による保険金の支払事由が発生しないまま、死亡した場合や高度障害になった場合でも同額の保険金を受け取ることができます。
一般に特定疾病保険は、日本人の死因のワースト3をカバーする保険であり、万一の時に有効なものといえます。
医療保険
医療保険とは、病気やケガで入院したり、手術を受けたりした時に、給付金が受取れる保険です。
保険期間が10年・20年など、または70歳・80歳など一定の期間を定めた定期タイプと、保険期間が終身保障の終身タイプがあります。
成人病(生活習慣病)で入院した場合に保障が増える特約や、女性特有の病気に対応している特約、通院特約など、個人のニーズに合った対応ができるものが多くなっています。
また、近年は先進医療の治療費に対応した「先進医療特約」を付加するものが主流になっています。
被保険者の健康状態によっては加入できない場合や、部位不担保での引き受けになる場合もあります。
養老保険
養老保険とは、保険期間中に死亡された場合は死亡保険金を、また、無事に満期を迎えられた場合でも死亡保険金と同額の満期保険金を受取る事が出来る保険で、貯蓄性の高いものになります。
将来に向けた計画的な資産づくりの手段としても役立てられます。
定期保険
定期保険は、契約時に定めた保険期間内に、被保険者が死亡した時は死亡保険金が、また高度障害になった時は高度障害保険金が支払われる保険で、満期時の満期保険金はありません。通常、保険料が掛け捨てで貯蓄性がない分、安い保険料で大きな保障を得ることができます。
平準定期保険
定期保険は保障期間を契約時に定め、契約終了時の返戻金のないものを言います。定期保険は安い掛金で大きな保障が得られるという利点があります。 年数で決められた更新型と期間を決めてある全期型があります。 なお更新型の保険の場合、一定の年齢になるまでは、契約満了時に被保険者の当時の健康状態に関わらず、同じ期間で保険を更新できるます。この場合、保険料は更新時の年齢で計算するため(年齢が上がるほど、一般的に死亡率が上がることから保険料は高くなる)、増加します。
収入保障保険
収入保障保険は、「家族収入保険」や「生活保障保険」とも呼ばれ、契約時に定めた保険期間内に、被保険者が死亡したり高度障害になったりした場合に、残された遺族が保険金を一括で受け取らずに、分割して決められた金額を年払いや月払いで受け取ることができる保険です。その仕組みは、逓減定期保険の死亡保険金を分割して受け取るものです。
逓減定期保険
逓減定期保険は、保険期間中の保険料は一定ですが、時間の経過と共に保険金が徐々に小さくなっていく定期保険です。 経過年数により受け取る保険金は少なくなりますが、保障が大きく必要な時には大きな保障を受けられ、ライフプランにあった保険ともいえます。
逓増定期保険
増定期保険は、保険期間中の保険料は一定ですが、保険金額が一定期間経過後に所定の割合(逓増率)で増加していく定期保険です。保障が増していく分、保険料が高額になります。 一般に逓増定期保険は、企業(法人)や経営者に利用されることが多くなります。事業の発展と共に重くなる経営者の責任に合せて、保険金額を時間の経過と共に増加させることで、万一の場合の事業保障、退職金などの資金準備、相続・事業承継対策、企業の財務強化の財源準備などに活用されています。
終身保険
終身保険は定期保険と同様に、被保険者が死亡した場合にのみ死亡保険金が支払われます。 ただし、保険期間は一定ではなく一生涯続き、被保険者が何歳で亡くなっても保険金が支払われますので、掛捨てではありません。 保険料の払い込みが一定年齢または一定期間で満了する有期払込タイプと、一生涯払い続ける終身払込タイプがあります。当然、短い期間で支払いが完了する方がトータルの保険料は安くなります。 被保険者が亡くなった時に死亡保険金が支払われ、 遺族の生活費や葬儀費用や相続税などを確保する目的などで利用されます。 また、将来契約を解約した場合に解約返戻金が発生しますので、保障と同時に、長期的な貯蓄の機能も備えており、老後の資金づくりなどに利用することもできます。
利率変動型終身保険
資産の運用実績によっては、増加保険金が発生します。 死亡した時は、ご契約時に定めた保険金額(基本保険金額)と増加保険金額の合計した保険金額を受け取る事ができます。なお、運用実績にかかわらず、基本保険金額は最低保証されます。
低解約返戻金型終身保険
低解約返戻金型終身保険とは保険料払い込み期間中に解約した場合の解約返戻金が低く設定されているものをいいます。 早く解約してしまうと同一保険会社の普通の終身保険の金額よりも低い解約返戻金しか支払われないということになります。 一定期間後は解約返戻金の金額は普通の終身保険と同じ水準にまで戻ります。解約返戻金が低く設定されている分、支払い期間中の保険料は低く設定されているのが特徴です。